早稲田大学アカデミックソリューション
(以下、WAS)IT推進部では、
ITの力で大学を全方位的に支援するため
多くのITスペシャリストが活躍しています。
しかし、すべてのITスペシャリストが
始めからITのプロだったわけではありません。
IT未経験者が
ITスペシャリストへと成長できるよう、
どのようなサポートが提供されているのかー。
今回は、今年4月に新卒入社したばかりの
K.Y.さんにお話を伺いました。
大学でドイツ文学を専攻していた彼女が、
IT推進部への配属後の3カ月で何を経験し、
どのような成長を遂げたのかお伝えします。
2024年入社
IT推進部 IT-Xチーム
K.Y.
*所属チームはインタビュー当日の配属先です

IT未経験からの挑戦
大学業界の情報化を支援したい

今年の4月にWASへ入社されましたが、もともと大学関係のお仕事を希望されていたのですか。
私は大学生の間に留学したいと考えていたのですが、大学時代は大半がコロナ禍でした。留学は難しいかもしれないという状況のなか、大学職員の方々のサポートのおかげで留学を実現できた経験から、学生の挑戦を支援する場所で働きたいと思い、大学関係の仕事を軸に就職活動を行いました。
自身の留学時の経験もあり、当初は直接学生にアプローチできる仕事をしたいと考えていたのですが、どのような仕事があるのか様々な大学から話を聞くうちに、多くの大学で情報化の機運が高まっていると感じたんです。そんななかで、WASの先輩社員にOB訪問をした際、WASには情報化支援の業務があることや、早稲田大学に限らず他大学への支援も行っていることを聞いたことも後押しとなり、大学業界全体の発展に貢献できるWASへの入社を決めました。
入社後はIT推進部へ配属されましたが、配属が決まったときの率直な気持ちを教えてください。
情報化支援に携わりたいという想いもあったので、入社時からIT推進部にも興味はありました。ですが、学生時代はドイツ文学を専攻していたこともあり、システム開発などにはまったく関わってこなかったので、まさか私がIT推進部に配属されるとは思っていませんでした。
配属が決まったとき、IT推進部のメンバーなら誰もが知っているであろう前提知識もない状態で配属されることに不安はありました。それでも、大学職員の方の業務を大きく変えられるであろうシステムに携われることの喜びが大きく、配属もポジティブに受け入れることができました。
ITスキル0からの
プログラミング
実務に直結する研修に手応え

IT推進部へ配属されるまでは新人研修を受けていたと伺いました。入社以降の具体的な研修スケジュールを教えてください。
4月に入社後、6月までは全社研修でした。4月は早稲田大学の新人職員も一緒に、同期全員で大学の業務や社内の制度について学び、続く5、6月はそれぞれが2部署に仮配属されて業務にあたりました。私は大学業務支援部の校友支援チームと、IT推進部のコンテンツ企画チームに配属されました。
そして、7月にIT推進部 IT-Xチームへの本配属が決まり、9月までの3カ月は部署での研修プログラムを受けました。研修内容は業務で使う5つのプログラミング言語に関するものと設計書に関するもの、全部で6つの課題がありました。
具体的には、プログラミング言語を使って自己紹介を作ったり、その自己紹介に動きをつけたり、顧客管理アプリを作ったりしました。顧客管理アプリは、いきなりアプリを作るのではなく、まずどのような画面で何の項目をどのように管理していくのかを「設計書」にまとめ、その設計書どおりの動きを再現するアプリを作るというものでした。
複数のプログラミング言語を使ってアプリを作ることはIT未経験者には難しいようにも思えますが、スムーズに進みましたか。
研修課題を初めて見た時は、「こんなことができるのか」という不安と、「こんなものが作れるようになるのか」という期待が入り混じったことを覚えています。最初のうちは、わからないことがあってもどう調べればよいのかわかりません。また、先輩は「気軽に質問して」と言ってくれていましたが、どう質問すればよいのかもわかりませんでした。
それでも、教育担当の先輩が毎日の進捗確認として、今どこでつまずいているのか、何がわからないのかを丁寧に聞いてくれたおかげで、わからないことを1個ずつ解決することができました。
わからないことを少しずつ解決できるようになると、不安はなくなりましたか。
始めは気づけなかったのですが、研修は取り組んでいくうちに知識が身につくように準備されていて、わからないときに見るべき参考資料もつけてくれていました。慣れてくると、わからないことが出てきたら、まずもらった資料を読んで、それでもわからなければインターネットで調べたり、教育担当の先輩に聞いたりしながら進められるようになっていきました。
そうしている間に少しずつ調べ方がわかるようになってくると、次第に「わからないことは怖くない」と思えるようになってきて、緊張することもなくなっていきました。
9月末で研修を終え、10月からは実務も始まったそうですね。今はどのような業務を担当していますか。
まずは、教育担当の先輩が主担当を務めているシステムの改修に携わりました。作業としては、変更した機能がシステムへ正しく反映されているのか、それぞれの機能はうまく連携できているか、途中でエラーを起こしていないかなどを検証するテストを実施しました。
研修後、初めての実務を終えた率直な感想を聞かせてください。また、研修で学んだことは実務に役立ちましたか。
検証テストは設計書を見ながらシステムの動きを確認していく作業になります。設計書はこのボタンを押したら画面がどのように遷移するといったことを独特な書式で記載したものなので、研修を受けていなかったら何を書いていたかわからなかったと思います。
研修で実務と同じフォーマットの設計書を読み書きしていたので、設計書の見方で迷うことがなく、研修が業務に直結していると感じられて嬉しかったです。
初めての実務はシステム開発の検証テストでしたが、この後はどのような業務を担当する予定ですか。
今後はシステムの開発と運用、両方の業務に携わる予定です。今は早稲田大学の学生管理を行うLMS(Learning Management System)や統合認証基盤といったシステムの運用にも関わっています。前回担当したシステムも大学の経費精算や請求を管理するもので影響度の大きさに緊張しましたが、LMSや統合認証基盤をはじめとする様々なシステムも幅広いシステムに影響がある情報を扱う業務なので、気が引き締まります。
成長を支えてくれる
先輩たちの
手厚いサポート体制

IT推進部に配属されて約3カ月。日々、多くの先輩方と関わっていると思いますが、研修や実務を進める中で教育担当の先輩やチームメンバーのサポート体制をどのように感じますか。
わからないことがあった際は教育担当の先輩に相談することが多いのですが、他のチームの先輩方も「どんどん質問に来て」と言ってくれますし、実際に研修の課題を見てくれる方もいて、心強い存在です。
私にとって先輩たちは誰もがかっこよく、憧れの存在です。2人いる教育担当の1人であるNさんは、私と同じ文系出身で新卒入社の方なので、業務に限らず、勉強の仕方に悩んだ時などにも相談に乗ってもらっています。Kさんは、ITの知識や経験がとても豊富な方で、困ったときにはすぐに助けてくれます。2人とも常に相談しやすい環境を作ってくれるので、安心して日々の業務に臨めています。
心強い先輩たちがたくさんいるIT-Xチームはどんなチームですか。
こんな人になりたいと思える先輩たちがたくさんいるチームで、業務上でも積極的に密なコミュニケーションを取り合う関係性の良いチームだと感じています。
アプリ開発の過程で得られた
自己解決力こそ
成長の証

新人研修、IT推進部での研修、システム開発の検証テストと入社半年で様々な経験をされました。何が最も記憶に残っていますか。
最も印象に残っているのは、やはり研修で作った顧客管理アプリです。課題を見た当初は、自分がパソコンで動くアプリを作るなんてイメージすることさえできなかったので、完成したこと自体が喜びでした。
研修で作成したアプリはローコードといって、プログラムを作る際に、そのプログラムに「どんな動作をさせたいか」という内容をほとんど書かなくてよいとは言え、一部ではプログラミング言語を使わなければなりません。自分がやりたいことを実現するためにはどんなコードが必要か1から調べることは大変でした。
しかも、システムの内側だけでなく、実際に利用者が見る画面のデザインも作る必要があります。年齢や性別、視覚や聴覚の障がいの有無問わず、誰もが見やすく、使いやすいユニバーサルデザインについてのアドバイスをもらい、他のアプリなどをヒントにアイコンを使うなど、自分なりにデザインにこだわったので、そのデザイン的な部分をチームの人に褒めてもらったのは嬉しかったですね。
ここまでの経験を経て、ご自身のどんなところが成長したと感じますか。
まだまだ発展途上ではありますが、入社した頃に自分でアプリを作る姿なんて想像することもできませんでした。今では、何かわからないことがあったらAIで壁打ちをすることも増えましたが、この行動も学生時代の自分からは考えられません。
これは、わからないことがあったときに、先輩方が単に答えを教えるのではなく、解決するための考え方や調べ方を教えてくれたことが大きく影響しています。今では、答えにたどり着くための自分に合った方法が少しずつわかってきたように感じています。
システムに関わることだけではなく、業務へ向かう姿勢も養われた半年なんですね。IT未経験からの挑戦でしたが、同じようにWASに興味はあるけれど、ITに不安があるという学生へご自身の経験も踏まえメッセージをお願いします。
IT推進部は、IT未経験者が業務に必要な知識を身につけられるようにサポートしてくれる先輩方がたくさんいるチームです。
入社前は少し堅い雰囲気もあるのかなとも思っていましたが、やりたいと声を挙げたことには積極的に挑戦でき、実現に向けてスピーディーに物事を進められる環境です。
スピードについていけるよう、研修をはじめ経験を積むための時間もたっぷり取ってくれているので、しっかりついていけば確実に成長できると信じられます。IT未経験で入った私が安心して毎日業務に当たれているので、IT未経験ということに関してはまったく不安を持たずに挑戦してほしいと思います。